価値創造戦略

事業ポートフォリオ戦略

当社は、第11次中期経営計画から事業ポートフォリオを導入し推進しています。コーティング事業・塗料事業・電子材料事業・化成品事業・合成樹脂事業の各分野において、「社会課題の確認と提供できる価値」を整理し、目標の達成と事業の持続的成長に取り組みます。

コーティング事業

価値創造の基本方針

次世代に繋ぐ機能を追求し、
グローバルで新たな価値を提供する

取締役
コーティング事業部長

川口 浩俊

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

コーティング事業は、あらゆる分野に対応した意匠性および機能性に優れたコーティング材を提供し、国内・海外において業界をリードするプラスチック用コーティング材の草分け的存在です。近年では、環境対応・高性能製品開発に積極的に取り組んでいます。自動車市場においては、プラスチック用コーティング材のリーディングカンパニーとして、世界で高いシェアと信頼を獲得しています。非自動車市場においても、化粧品容器・家電用途をはじめ、あらゆるニーズに幅広くお応えする製品を提供しております。アジア・北南米・欧州をカバーするグローバルネットワークにより、日本国内のみならず、全世界で同品質の製品およびサービスを供給いたします。

コーティング事業の『価値創造の基本方針』について

ステークホルダーの皆様とともに価値を創出し、持続的に価値を提供していくためには、外部環境の急速な変化を上回るスピードでの技術とサービスの進化が求められます。コーティング事業では、脱炭素社会への転換に伴う環境の変化や諸課題に必要とされる機能を追求し、創出した新たな価値をグローバルネットワークを通じて、全世界へシームレスに提供することで、当社製品を通じた社会課題への貢献を目指します。

『価値創造、持続的成長、企業価値向上』の実現に向けて

脱炭素社会への転換を見据え、CO₂排出削減を目的とする製品開発を推進していきます。水系化・バイオマス化など製品性質そのものの環境適応や、工程短縮による省エネ化の提案、めっき代替・フィルムなどの新たな工法への適応により、環境配慮型・脱炭素化対応製品の主力化を目指します。また、予見されるサプライチェーンの大きな再編に対応すべく、グローバルネットワークのさらなる深化を図り、モビリティ環境の変化および気候変動等、世界各地域で発生する社会課題の解決を目指します。

機会 脱炭素社会への転換、EV化の拡大
リスク サプライチェーンの大きな変化

中期経営計画方針

塗料事業

価値創造の基本方針

材料力と工事力との共創で、
ハウジングから
社会の未来に貢献する

常務取締役
塗料事業部長

梶原 久

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

塗料事業では、戸建住宅向け建築用塗料を軸に展開しています。各ハウスメーカー様向けにカスタマイズした専用塗料、専用塗装仕様で、高耐久・機能性・意匠性などの価値を提供しています。 また、リフォーム塗装分野においては、グループ会社によるメーカー責任施工体制で高品質な施工を行っています。長年の歴史と実績を有する多彩模様塗料においては、自然素材の質感の再現と優れた作業性により、業界トップクラスの実績を有しています。また、研究所での多岐に渡る耐久性試験と長年に渡るフィールドでの実績データに裏付けされた高耐久塗料により、住宅の長寿命化に貢献しています。

『価値創造の基本方針』について

どんなに高品質な塗料であっても、適切な塗装仕様や条件で形成された塗膜でなければ優れた性能を発現することができません。塗料事業では、研究開発・生産・デリバリーに加え、施工監理まで当社グループにて一気通貫で行うことで、「施工まで見通した材料開発」と「材料を熟知した施工」の両面からのアプローチで、新たな価値を創造していきます。 

『価値創造、持続的成長、企業価値向上』の実現に向けて

持続可能な社会の実現のために、住宅のさらなる長寿命化・高機能化・脱炭素化に向けて、塗料の超耐久、遮熱・断熱、完全水系化などに取り組んでいきます。施工においては、安全、品質、効率化を支える人材育成を最重要課題と捉え、推進していきます。また、これまで主に住宅向け塗料で培った技術と知見を基に、社会課題となっているインフラの老朽化の課題解決を目指していきます。

機会 住宅長寿命化への貢献、
工事力による事業拡大
リスク 国内住宅着工件数の減、
塗装技能者の高齢化

中期経営計画方針

電子材料事業

価値創造の基本方針

ドータイト™の歴史と強みを活かし、
最先端の電子材料分野で持続的に成長する

取締役
電子材料事業部長

石井 貴宏

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

電子材料事業は1957年に日本電信電話公社(現NTT)通信研究所との共同開発で、日本で初めて工業化に成功した導電性樹脂材料ドータイト™を上市し、業界のパイオニアとして、エレクトロニクス産業の成長とともに60年以上にわたり人々の生活や産業に役立ち貢献してまいりました。

『価値創造の基本方針』について

電子材料事業では2030年に取り巻く環境を想定し、「次世代自動車産業(自動運転、EV車の普及)」「情報通信産業(通信インフラ増設・IoTの普及)」「ヘルスケア産業(リモートセンシング・ウェアラブルデバイスの成長)」を重点フィールドと設定し、内閣府が提唱している『Society5.0』を未来社会の姿と見据え、事業展開を進めていきます。 

『価値創造、持続的成長、企業価値向上』の実現に向けて

自動車産業では先進運転システム普及に伴う高信頼性制御部品、センサ部品の搭載数増加に対応し、情報通信産業ではスマートフォンやパソコンといったデジタル家電において、IoTに関わる高速通信・インフラの整備へ寄与、ヘルスケア産業ではロボット・人工知能(AI)・介護といったヒトの負担を軽減することで社会課題の解決に貢献していきます。
また、お客様の声や個別のニーズに対応し、カスタマイズした製品の設計、開発も促進します。
電子材料事業製品の生産工場は、自動車産業向け品質マネジメントIATF16949認証取得済である佐野事業所です。電子部品市場はますます『軽・薄・短・小』に移行していきます。当事業製品の主原材料は銀粉であることから、省資源製品の開発トレンドに対応し、天然資源の抑制も進めていきます。同時に脱炭素社会を見据え、環境負荷物質の使用低減を目指すとともに、省エネルギー(低温・短時間硬化)製品の販売を推進していきます。また、世界各地で材料の現地調達を進めるお客様に対しても、品質・サービスで劣らないよう万全の体制でサポートしていきます。

機会 DX、IoT、EV化による材料市場の高成長
リスク 海外顧客の現地調達化

中期経営計画方針

化成品事業

価値創造の基本方針

創業からの樹脂重合技術を基盤として、
ファインで高機能な技術と製品で進化する

取締役
化成品事業部長

渡邉 聡

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

化成品事業では、ポリマー合成技術を基に事業を展開してきました。高い機能と安全性を有する高分子ポリマーを工業用粘着剤、電子部品用材料、電子写真材料などさまざまな分野に製品を提供しています。また、ポリマーの特性を活かしたラテックス試薬を開発し、糖尿病、リウマチなどの体外診断薬の分野にも参入しています。これらの製品群は、見えないところで皆様の日々の生活の向上に役立っています。近年では環境対応型製品として無溶剤化・水系化などにも注力し、幅広いニーズに対応できる製品を提供しております。

『価値創造の基本方針』について

前中計で技術確立したファイン材料や高機能ポリマー、焼結樹脂、新規体外診断薬および材料の新分野での拡大を目指しています。今までに培った、懸濁微粒子技術・高機能エマルジョン合成技術・ウレタン合成技術・トリブロック技術・UV技術をもとに、各分野でお客様のニーズに合った製品開発を行い、お客様の信頼に応えていきます。 

『価値創造、持続的成長、企業価値向上』の実現に向けて

化成品事業のポートフォリオは、大きく分けて高分子ポリマー材料を扱う化成品事業部と、体外診断薬を取り扱うメディカル材料部に区分されます。
化成品事業部では脱炭素・DX・IoTによる新素材分野での市場拡大の機会から、ポリマー微粒子・ウレタン樹脂を中心とした、ファイン材料・テープ・フィルム用途の粘着剤・接着剤・セラミック焼結用樹脂を「のばす」分野に、新たにキャリアコート・UV硬化型材料を次期中計の柱に添えるべく「そだてる」分野に位置づけました。
また、メディカル材料部は、健康志向の高まりを背景に、体外診断薬と体外診断薬用ラテックス、体外診断薬用磁性粒子・蛍光粒子等を展開していきます。これらの製品群により、さらなる化成品事業の拡大に努めていきます。

機会 脱炭素、DX、IoTによる新素材分野での市場拡大
リスク 市場シュリンクによる提供価値の縮小

中期経営計画方針

合成樹脂事業

価値創造の基本方針

幅広い顧客層への積極的提案で、
社会的課題解決に貢献する

藤光樹脂株式会社
代表取締役社長

池神 学

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

合成樹脂事業は、プラスチックを主軸とした各種の原料・シート・フィルム・加工製品などの販売を手掛ける専門商社「藤光樹脂株式会社(1964年創業)」が展開しております。
お客様への単なる商品の供給に留まらず、取引先企業様の経営戦略・営業戦略に基づいた製品開発の情報提供、新素材・新製品の紹介、原料の選定から製品販売までの企画提案を行い、きめ細かなフォローによる営業を展開しています。

『価値創造の基本方針』について

石化由来のプラスチックが社会・環境課題と捉えられていく中で、私たちは時流に適応する必要があります。進化しながら生み出されてくる商材を、合成樹脂販売で培ったお客様へ幅広く提案し、販売網の拡大をしていくことで、社会・環境課題解決に貢献します。

『価値創造、持続的成長、企業価値向上』の実現に向けて

合成樹脂事業では、専門商社としてのビジネスを基盤として、環境・社会課題解決に努めます。CO₂排出量削減のための省エネに寄与する商品、電動化拡大に伴うリチウムイオン電池向け材料の提案、省資源化に向けた合成樹脂の歩留まり向上のための新たな用途開発等、お客様と仕入れ先様との繋がりをビジネスコーディネートすることで、新たな価値を提供していきます。

機会 環境商材などの新たな市場への価値提供 
リスク 既存エントリー市場の構造変化

中期経営計画方針

生産分野

価値創造の基本方針

サプライチェーン全体での生産性向上への取り組みで、新たな価値を創造し、ウェルビーイングを実現する

取締役
佐野事業所長

髙野 雅広

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

当社の生産分野は、佐野事業所を基幹とする国内外の生産拠点で、市場の変化とお客様のさまざまなニーズとともに歩んできました。当社では、安全第一の考え方の下、コーティング材・建築用塗料・導電性ペースト材・アクリル系樹脂などの多様な製品群を、高度な品質管理体制で生産しています。ものづくりの確かさの実現のために、各種マネジメントシステム「ISO9001」「IATF16949(電子材料事業部)」「ISO13485(メディカル材料部)」「ISO14001」 「ISO45001」の認証を取得し、常にお客様目線で上質な価値を創出しています。

『価値創造の基本方針』について

高品質なものづくりは、当社だけでは成り立たず、原材料メーカー様・協力会社様などのさまざまな取引先企業様からの協力が不可欠です。生産分野では、生産性向上のための基本的な考え方として、人との繋がりと対話を重視しています。関連する人々との信頼関係をもって、原料調達、生産、物流までの一貫したサプライチェーン全体を価値創造の基盤としていきます。

『価値創造、持続的成長、企業価値向上』の実現に向けて

市場の変化を捉え、迅速かつ積極的な設備投資を行うことで、安全性の向上や工場の安定稼働、自動化、デジタル化を進め、生産効率の向上に取り組んでいきます。そして従業員が安心して働ける職場環境の創出のために、従業員との対話によるエンゲージメントを重視し、ウェルビーイングを実現します。地球環境に配慮しながら、安全・品質・人材育成を強化することで、生産分野として、新たな価値を創造し、当社の持続的成長を実現させます。

機会 高品質・高効率な製品の需要拡大
リスク 脱炭素化による化学工業の動向

中期経営計画方針

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