価値創造戦略

事業ポートフォリオ戦略

当社は、第11次中期経営計画から事業ポートフォリオを導入し推進しています。コーティング事業・塗料事業・電子材料事業・化成品事業・合成樹脂事業の各分野において、「社会課題の確認と提供できる価値」を整理し、目標の達成と事業の持続的成長に取り組みます。

コーティング事業

価値創造の基本方針

次世代に繋ぐ機能を追求し、
グローバルで新たな価値を提供する

取締役
コーティング事業部長

川口 浩俊

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

コーティング事業は、あらゆる分野に対応した意匠性および機能性に優れたコーティング材を提供し、国内・海外において業界をリードするプラスチック用コーティング材の草分け的存在です。自動車市場においては、内外装部品用途として、世界で高いシェアと信頼を獲得しています。非自動車市場においても、化粧品容器・フィルム用途をはじめ、あらゆるニーズに幅広くお応えする製品を提供しております。

第11次中期経営計画1年目の振り返り

コーティング事業における『価値創造の基本方針』として、脱炭素社会への転換に伴う環境の変化および諸課題に必要とされる機能の追求と価値の創出、グローバルネットワークを通じた全世界への価値提供、そして、外部環境の変化を上回るスピードでの技術・サービスの進化を掲げています。中期経営計画1年目においては、中国市場を中心に当社を取り巻く市場環境は厳しいものではあったものの、主に日本国内ではバイオマス製品やめっき代替・フィルムなど当社の環境配慮型・脱炭素化対応製品の認知度の向上に成功し、各種製品の新規採用が開始されたことから、翌年度以降に向けた土壌づくりができたと考えています。

2024年度の取り組みと2025年度へ向けて

本年度も、引き続き、水系・バイオマス製品ラインナップの拡充、めっき代替・フィルム工法適用製品のさらなる拡販および低温短時間乾燥などの工程短縮による省エネ化提案を進め、CO₂排出量削減を目的とする製品群の主力化実現に向けて尽力します。また、全世界へのシームレスな価値提供のため、グローバルネットワークの進化と深化への努力を継続します。さらに、中期経営計画の最終年度である2025年度へ向けて、加速度的に変化を遂げるサプライチェーンやモビリティ環境に対応し、新たな価値の持続的な創出と提供を追求します。グローバルネットワークの技術的シナジーを活用し、脱炭素化・環境配慮型の次世代製品の開発を進め、世界各地域のユーザーが抱える諸課題の解決を図ることで、社会課題の解決と脱炭素化社会への貢献を目指します。

機会 脱炭素社会への転換、EV化の拡大
リスク サプライチェーンの大きな変化

中期経営計画方針

塗料事業

価値創造の基本方針

材料力と工事力との共創で、
ハウジングから
社会の未来に貢献する

常務取締役
塗料事業部長

梶原 久

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

塗料事業では、戸建住宅向け建築用塗料を軸に展開しています。各ハウスメーカー様向けにカスタマイズした専用塗料、専用塗装仕様で、高耐久・機能性・意匠性などの価値を提供しています。 また、リフォーム塗装分野においては、グループ会社によるメーカー責任施工体制で高品質な施工を行っています。

第11次中期経営計画1年目の振り返り

2023年度は、「施工まで見通した材料開発」と「材料を熟知した施工」の両側面から製品設計を行い、施工性の良い高品質な超親水(超低汚染)トップコートを上市することができました。この開発により、安定した施工性の実現で、塗膜本来の性能が十分に発揮できるようになり、新たな価値として安定した超低汚染性能を提供することが可能となりました。
脱炭素化に向けて、当社はエネルギーを多く使用する原料の依存度を低減し、環境負荷を軽減させることを目標として、天然由来の素材による製品開発に着手しました。また、社会課題となっているインフラの老朽化については、これまで住宅向け塗料の開発・生産で培ってきた技術と経験を活かし、新たな塗料の基本設計を完了いたしました。

2024年度の取り組みと2025年度へ向けて

本年度も、引き続き、水系・バイオマス製品ラインナップの拡充、めっき代替・フィルム工法適用製品のさらなる拡販および低温短時間乾燥などの工程短縮による省エネ化提案を進め、CO₂排出量削減を目的とする製品群の主力化実現に向けて尽力します。また、全世界へのシームレスな価値提供のため、グローバルネットワークの進化と深化への努力を継続します。さらに、中期経営計画の最終年度である2025年度へ向けて、加速度的に変化を遂げるサプライチェーンやモビリティ環境に対応し、新たな価値の持続的な創出と提供を追求します。グローバルネットワークの技術的シナジーを活用し、脱炭素化・環境配慮型の次世代製品の開発を進め、世界各地域のユーザーが抱える諸課題の解決を図ることで、社会課題の解決と脱炭素化社会への貢献を目指します。

機会 住宅長寿命化への貢献、
工事力による事業拡大
リスク 国内住宅着工件数の減、
塗装技能者の高齢化

中期経営計画方針

電子材料事業

価値創造の基本方針

ドータイト™の歴史と強みを活かし、
最先端の電子材料分野で持続的に成長する

取締役
電子材料事業部長

石井 貴宏

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

電子材料事業は1957年に日本電信電話公社(現NTT)通信研究所との共同開発で、日本で初めて工業化に成功した導電性樹脂材料ドータイト™を上市し、業界のパイオニアとして、エレクトロニクス産業の成長とともに60年以上にわたり人々の生活や産業に役立ち貢献してまいりました。

第11次中期経営計画1年目の振り返り

電子材料事業では2030年に取り巻く環境を想定し、「次世代自動車産業」「情報通信産業」「ヘルスケア産業」を重点フィールドと設定し、内閣府が提唱している『Society5.0』を未来社会の姿と見据え、事業展開を進めています。
自動車産業の先進運転システム普及に伴う高信頼性制御部品、センサ部品の搭載数増加への対応として、導電性高分子を用いたコンデンサの導電性接着剤として採用を獲得しました。現在、MLCC樹脂外部電極用の銀ペーストをお客様とともに開発をしています。
情報通信産業のIoTに関わる高速通信・インフラ整備への寄与として、小型・薄型・軽量を実現し、基板の高集積化が可能なパッケージレベル用の高導電シールド製品を開発しました。今後、市場やお客様へ課題解決に向けたご提案をします。また、脱炭素社会を見据え、水系タイプの常温乾燥導電性ペーストを開発、上市しました。環境負荷物質の使用低減の製品として、現在お客様にご使用いただいています。

2024年度の取り組みと2025年度へ向けて

ヘルスケア産業のリモートセンシング・ウェアラブルデバイスへの貢献に向け、ストレッチャブル導電性ペーストはヘルスケアセンサ用途でお客様と製品化に取り組んでいます。伸び縮みしても耐久性のある配線材料により、今後ストレッチ性を有するさまざまなセンサ用途での製品化に向けて取り組みます。
当事業製品の主原材料は銀粉であることから、天然資源の抑制、また省資源製品の開発を今後継続して取り組んでいきます。ドータイト®は今後も社会課題の解決に貢献できる製品の開発と推進に取り組んでいきます。

機会 DX、IoT、EV化による材料市場の高成長
リスク 海外顧客の現地調達化

中期経営計画方針

化成品事業

価値創造の基本方針

創業からの樹脂重合技術を基盤として、
ファインで高機能な技術と製品で進化する

取締役
化成品事業部長

渡邉 聡

事業概要、特徴、強み

事業概要、特徴、強み

化成品事業ではファイン材料・高機能ポリマー・焼結樹脂・新規体外診断薬および材料の新分野での拡大を目指しています。今まで培った懸濁微粒子技術・高機能エマルジョン合成技術・ウレタン合成技術・トリブロック技術・UV技術で、各分野でお客様のニーズに合った製品開発を行い、お客様の信頼に応えていきます。また、メディカル材料部ではポリマーの特性を活かしたラテックス試薬を開発し、糖尿病・リウマチなどの体外診断薬分野にも参入しています。これらの製品群は、見えないところで皆様の日々の生活の向上に役立っています。

第11次中期経営計画1年目の振り返り

ファイン材料はウレタン分野の新分野で伸長しました。有機微粒子や高機能エマルジョンについてもお客様の課題解決に向けた提案を行い、製品化に向けて取り組んでおります。
高機能ポリマー・焼結樹脂は既存顧客の拡大に加えトリブロック技術・UV技術を使用した製品が拡大しており、第11次中期経営計画最終年度の目標に向かい、着々と実績を伸ばしております。
診断薬分野では新興国を中心に糖尿病検査薬が伸長しました。今後も世界的に糖尿病患者数の増加が想定されており、引き続き皆様の健康で安心した暮らしに寄与できるよう取り組んでいきます。

2024年度の取り組みと2025年度へ向けて

第11次中期経営計画最終年度の売上達成のために攻めの姿勢で取り組んでいきます。特に「のばす」「そだてる」分野に集中し、ファイン材料・新粘着剤に注力します。
新たな新技術開発製品の促進を行いさらなる市場拡大、新規市場の発掘に取り組み、2024年度の成否が第11次中期経営計画最終年度の目標達成に直結することを常に意識して取り組んでいきます。

機会 脱炭素、DX、IoTによる新素材分野での市場拡大
リスク 市場シュリンクによる提供価値の縮小

中期経営計画方針

合成樹脂事業

価値創造の基本方針

幅広い顧客層への積極的提案で、
社会的課題解決に貢献する

藤光樹脂株式会社
代表取締役社長

池神 学

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

合成樹脂事業は、プラスチックを主軸とした各種の原料・シート・フィルム・加工製品などの販売を手掛ける専門商社「藤光樹脂株式会社(1964年創業)」が展開しております。
お客様への単なる商品の供給に留まらず、取引先企業様の経営戦略・営業戦略に基づいた製品開発の情報提供、新素材・新製品の紹介、原料の選定から製品販売までの企画提案を行い、きめ細かなフォローによる営業を展開しています。

第11次中期経営計画1年目の振り返り

2023年度はお客様とのコミュニケーションを一層強化し、合成樹脂だけでなく、お客様の困りごとに応じた商品の探索と販売を積極的に行い、新たな商機を創出しました。海外顧客に対しては持続的な受注商品に着目し、メーカーと協力し共同で商品提案を行った結果、2024年度の売上に繋がる成果を得ることができました。また、新たな市場開拓の一環として、輸入品の取り扱いを開始し、これにより新規顧客の獲得に成功しました。2023年度の成果は、顧客基盤の拡大と事業の多角化に繋がり、今後のさらなる成長基盤となりました。これからも、専門商社として市場動向に着目し、お客様へ積極的な提案ができるよう努めてまいります。

2024年度の取り組みと2025年度へ向けて

2024年度は、当社グループのアジアとアメリカの拠点を活かし、海外での原材料貿易の積極的な拡大に取り組んでいます。国内においては、為替変動の影響を軽減させるために、国内サプライチェーンでの加工を拡充しています。また、急速に進む電動化市場に対応するため、リチウムイオン電池向け材料の安定供給を進めていきます。さらに、石油化学業界の再編を契機に、新たなサプライチェーンの構築と需要の掘り起こしを進め、新しい価値の提供を目指しています。これらの取り組みを基に、2025年度も持続可能な成長を追求し、さらなる事業拡大を進めていく方針です。

機会 環境商材などの新たな市場への価値提供 
リスク 既存エントリー市場の構造変化

中期経営計画方針

生産分野

価値創造の基本方針

サプライチェーン全体での生産性向上への取り組みで、新たな価値を創造し、ウェルビーイングを実現する

取締役
佐野事業所長

髙野 雅広

事業の概要および価値創造に向けた方針

事業概要、特徴、強み

当社の生産分野は、佐野事業所を基幹とする国内外の生産拠点で、市場の変化とお客様のさまざまなニーズとともに歩んできました。当社では、安全第一の考え方の下、コーティング材・建築用塗料・導電性ペースト材・アクリル系樹脂などの多様な製品群を、高度な品質管理体制で生産しています。ものづくりの確かさの実現のために、各種マネジメントシステム「ISO9001」「IATF16949(電子材料事業部)」「ISO13485(メディカル材料部)」「ISO14001」 「ISO45001」の認証を取得し、常にお客様目線で上質な価値を創出しています。

第11次中期経営計画1年目の振り返り

高品質なものづくりは、当社だけでは成り立たず、原材料メーカー様・協力会社様などさまざまな取引先企業様からの協力が不可欠です。2023年度、生産分野では協力会社様などに協力をいただき、働き方改革関連法による「2024年問題」を見据え、物流の効率化に取り組みました。2023年度は安全・品質・人材育成の強化も行いました。従業員が安心して働ける職場環境を創出するため、「ヒューマンエラー防止活動」や「指差し確認啓発活動」を実施し、人的ミスの低減に繋げることができました。また、人材育成強化のため、定期的に「1 on 1ミーティング」を実施し、従業員との対話を通しエンゲージメントを高め、ウェルビーイングの実現に努めました。

2024年度の取り組みと2025年度へ向けて

2024年度以降も、当社はお客様との約束納期を順守するため、物流の効率化を推進するとともに、売上金額に対する物流費率の低減に取り組んでいきます。安全・品質・人材育成の強化においては、今後も市場の変化を的確に捉え、迅速かつ積極的な設備投資を行うことで、安全性の向上や工場の安定稼働・自動化・デジタル化を進めていきます。これらの取り組みにより生産効率の向上を目指すとともに、従業員のウェルビーイングの実現に向けた活動を引き続き行っていきます。

機会 高品質・高効率な製品の需要拡大
リスク 脱炭素化による化学工業の動向

中期経営計画方針

トップへ戻る