価値創造戦略

事業ポートフォリオマネジメント

本中期経営計画から、事業ポートフォリオを導入し、事業領域3つの戦略として、「そだてる:技術開発の拡充」「のばす : 注力事業の強化」「ささえる : 基盤事業の収益性拡大」を定め、5事業セグメントの事業展開において、SBU(Strategic Business Unit : 戦略事業単位)ごとにそれぞれの領域に分けた戦略を立案し、実行しています。

事業ポートフォリオ戦略の取り組み

本中期経営計画から全社的な取り組みとして、「成長性(売上高成長率)」「収益性(営業利益)」「効率性(営業利益率)」の指標の下、全社共通の考え方で事業ポートフォリオ戦略の「見える化」を進めました。
事業ポートフォリオ戦略における、「そだてる」「のばす」「ささえる」の3つの領域の認識については、これまでは定性的であることが多く、事業部ごとで捉え方の指標が異なることもあり、客観性がやや不足していました。
本中期経営計画の事業領域3つの戦略を成果に繋げるために、各事業セグメントから単体事業部、グループ会社、そして製品群のSBUまでを数値化して客観的に見ることを進めました。
「そだてる」「のばす」領域は、事業セグメントごとに注力すべき分野の方向付けを行っていき、将来を見据えた事業内容の新陳代謝を進め、そして新たな価値の創造で、当社の持続的成長に繋げていきます。
「ささえる」領域は、当社の業績における重要な位置付けであり、生産性向上による強化や、すべての業務における収益構造の改革に注力していきます。

事業ポートフォリオ戦略導入による事業評価

持続的成長のためには、「そだてる」「のばす」「ささえる」の領域それぞれの収益性の追求と適切な経営資源の配分の判断が必要です。
本中期経営計画から、全社で事業ポートフォリオ戦略の「見える化」を進め、進捗状況を定量的に可視化して評価しました。これまでは、売上高に着目する傾向が強かったですが、事業ポートフォリオの可視化により、全社が同じレベルで、事業評価を行うことができるようになりました。
それぞれの事業セグメントを起点として、単体事業部と連結グループ会社、さらに各SBUまで掘り下げて評価しています。まずSWOT分析で、外部環境、内部環境それぞれのプラス要因とマイナス要因を明確にしています。そして、PPM(Product Portfolio Management)により、稼ぐ力と成長性について個々に定量的に評価しています。また、定量的に評価した結果について、各事業セグメントごとにSBU単位からのボトムアップで定性的な情報として、なぜそうなったか、これからどうするかを検討し、次へ繋げるようにしています。

事業ポートフォリオ戦略の「見える化」による効果

計画に対して未達、超過いずれの場合も、計画との乖離を明確に客観性をもって把握することができるようになりました。
これらの結果は全社で共有し、速やかな軌道修正や補填策を立案し、経営課題として本中期経営計画の2年目へと繋げていきます。

今後の取り組みについて

事業ポートフォリオ戦略の「見える化」による事業評価を定期的に行っていき、評価結果の理解を現場レベルまで浸透させていくことを進めていきます。また、投下資本に対する収益性についても、各事業セグメントごとに定量的に見定める検討を進め、稼ぐ力を重視することで、企業価値向上を目指していきます。

■2030年に向けた当社の歩むべきステージ